こんにちは、ひろです。
夫の私服を取りに自宅へ向かいます。
自宅に着いたらお洋服を選び
家の中を簡単に片付け、掃除ひ
夫が寝るための布団を敷き…
とにかく夫が帰ってくるための
準備を手短に済ませなくては。
さすが真夜中。
道路もがらーんとしてます。
夜空がきれい。
ほとんど車がいない道を
走っていたらこみ上げてきました。
涙ではなく夫そのものが。
運転しながら何度も夫の名前を
大きな声に出して呼びました。
そしてふと気付きました。
車内に平井堅の【瞳を閉じて】が
流れていたことを。
なぜこの曲が流れたんだろう…
ランダム再生になっててたまたま
流れただけなのかな。
【瞳を閉じて】の歌詞をこうもじっくり
聴くこと今までなかったけど
夫を亡くしたての私には胸に迫る
歌詞です。
そして自宅に着きました。
夫のお洋服を眺め、どれを選ぼうか
しばらく悩みました。
看護師さんからはぴったりめのものじゃなく
ゆるっと着れるものがいいですと
言われてました。
決めたお洋服は2人で選んだBEAMSのシャツと
エストネーションの白のスエットパンツに。
そこで浮かぶ疑問。
…下着とか靴下っているん?笑
ノーパン、裸足で帰宅?!笑
こんな事態でも意外と冷静に
考えることはできるようです。
でも、どれだけ考えても答え出ないので
とりあえず下着と靴下も持っていくことに。
そして夫が寝るための敷布団を敷く。
リビング周りを簡単に整え
病院に戻ろうとした時、シンクに
コップが3個あるのに気付きました。
洗ってから出ようか…
私はキッチンに立ち、コップを洗い
始めました。
すると。
今まで聞いたことのないような音が
耳元でするのです。
ブォン!!
強い風が吹き抜けるような
モーターが回るような音。
そのあとに目の前がふっと暗くなります。
え?何?!
って思った瞬間、
体の芯が熱を帯びたような感覚になり
自分の体が熱を発しているなと思いました。
私は後ろを振り向き、夫の名前を
呼んでました。
『◯◯さん?◯◯さんなの?!』
もちろん返事はないけれど、本能的に
そうしたということは恐らく夫だったのかな…
45年間生きてきて初めての体験でした。
不思議と怖いという感覚はなかった。
気を取り直して病院に戻り
看護師さんに夫の洋服を預けました。
『お待たせしました。ご準備できましたので
皆さんどうぞ』
看護師さんが呼びにきて下さいました。
午前3時になろうとしていました。