こんにちは、ひろです。
こうして夫と一緒に思い出を刻んでいく
ことは嬉しいけれど悲しみもあります。
夫はもう長くはない。
これが根底にあるからこそ病院側も
私達家族に配慮して下さっているのだから。
何せ子供達、特に娘はまだ6歳。
誰が見てもこの状況は悲劇でしかない。
だからこそ、できることは何でもやりましょう！
ってことになってくるのです。
夫が倒れICUに入院となったので
入院手続きをしました。
その時に看護師さんから
【ICUダイアリー】
の存在を教えてもらいました。
ICUダイアリーとは、看護師さんが
夫の様子を日記にしてくれる
というもので（しかも画像付き）
ご好意でして頂けるとのこと。
コロナ禍でお見舞いもしょっちゅうは
無理なのでダイアリーつけてもらうよう
お願いしました。
ICUなんてただでさえ忙しく緊迫した
雰囲気なのに、こんなことまでして
頂けるのかと感動しました。
その日から夫のICUダイアリーが始まり
ました。
ほぼ毎日担当の看護師さんが夫の様子を
書いてくれて手渡して下さいました。
・今日はシャンプーをしましたよ。
・体温が高くなってきたので体を冷やしました。
・注射をすると腕が動きました。
などなど。
寝ているだけの夫だったけれど
些細な様子を事細かに、看護の
様子などを書いて下さってました。
このダイアリー、娘が虜になったんです。
娘は夫の病室になかなか入れませんでした。
そこで寝ているパパはいつものパパとは
様子が違うから。
チューブに繋がれ、周りは機械がたくさん。
そして声をかけても起きない。
怖かったんだと思います。
そんな娘にいつも看護師さんが付いて
くれて娘をパパのそばまで促してくれて
ました。
看護師さんって看護だけではなく
こうした患者の家族のケアをし
心を砕いて下さって私は甘えっきりでした。
そんな娘、ICUダイアリーに貼られている
パパの画像はしっかり見ることができ
ご飯を食べている時もそばに置いていました。
卒園式も入学式にもこのダイアリーを
持って行きたいと言いました。
パパを連れて行く感覚だったんでしょうかね。
そしてパパの現状を理解する材料だったと
思います。
看護師さんも娘がICUダイアリー大好きなのを
知って下さっていて、娘用にかわいいシールや
色鉛筆でデコレーションして下さっていました。
ある日娘が看護師さんにお手紙を書きたいと
言うので書いて持たせました。
いつもICUダイアリーをありがとう。
パパのことどうぞよろしくお願いします。
こんな感じの内容でした。
でもこのダイアリー、実は入院2週間で打ち切り
なんだそうです。
娘が手紙を持って行った日がちょうど最終日。
そうなんだ…泣
でも2週間も続けて下さって本当に
ありがとうございますとお礼を言いました。
ところが。
別日にお見舞いに行ったら打ち切りのはずの
ダイアリーがあるではありませんか。
驚いて理由を聞いたら
本来なら打ち切りなのですが
娘さん、ご家族の皆さんにはこの
ダイアリーが必要だと私達が判断したので
継続することにしたんです。
と。
その場で泣きました、私。
何とお礼を言っていいのか。
ほんとはダイアリーなんて書いて
いれないくらい多忙なはずなのに
ここまで考えて下さって…
このことは一生忘れないと思います。
娘はもちろん大喜び。
このICUダイアリー、夫が亡くなった日まで
続きました。
エンジェルケアを受け普段着に着替え
させてもらった夫と一緒に写真を撮り
その写真を素早くプリントアウトし
文章を添えて渡して下さいました。
倒れた日から亡くなるまでのダイアリーは
夫の祭壇に保管していて
たまに3人で読み返しています。
パパが頑張って闘病して生きてくれた証
ICUの看護師さん始めスタッフの皆様に
どれだけ感謝しても足りないほどです。
当時はほんと辛かったけど
夫の証を残しておいて本当に良かった。