こんにちは、ひろです。
この記事にも書きましたが
通夜当日の朝。
夫は大阪市内某所にお出掛けしました。
目的は
エンバーミング
皆さん、エンバーミングご存知ですか?
私は知らなかったです。
エンバーミングとは
遺体を消毒や保存処理、また必要に応じて修復することで長期保存を可能にする技法。
日本語では遺体衛生保全という。土葬が基本の北米等では、遺体から感染症が蔓延することを防止する目的もある。
(ウィキペディアより)
私がエンバーミングを知ったのは
葬儀の打ち合わせの時。
エンバーミングが注目されるようになったのは
コロナがきっかけだったようです。
葬儀社のスタッフさんがパンフレットを
もとに丁寧に説明して下さいました。
エンバーミングの最大の目的は遺体の
【長期保存】ですが
◉ドライアイスが不要なので好きなだけ
故人に触れ抱きしめることができる。
◉見た目を生前と同じような状態にできる。
◉好きなお洋服を着せることができる。
この3点をめちゃ推しておられました。
夫は長く患っていたわけじゃなく
どちらかと言うと見た目も生前とほぼ変わらず。
葬儀から火葬も待つことなくスムーズに
できる。
でも…
ドライアイスを気にせず好きなだけ触れる
ことができる。抱きしめることもできる。
見た目が生前とほぼ同じ状態になる。
この部分に惹かれて申し込みをしました。
申し込みの際に、簡単な傷なら修復可能と
聞き、夫の鼻の下のかぶれている部分の
修復をお願いしました。
完全修復は難しいけど目立たなくすることは
できるので、ということでした。
1ヶ月間、鼻にチューブを入れてたので
テープをずっと貼ってて…
その部分がかぶれていたんです。
せっかくならきれいにしてもらわないと!
余談ですが、このエンバーミングは
外部に委託するとお高いそうです。
ここでもお金の話(笑)
でも夫の葬儀をお願いした葬儀会社は
自社でエンバーミングの技術者を
(エンバーマーと呼ぶそうです)
育成しているとのことで、お値段は
外部委託よりリーズナブルでした。
エンバーミングすると決め
葬儀の打ち合わせとは別に
エンバーミングの打ち合わせも
必要になりましたが、これは意外と
スムーズにいったのでよかった。
↑
男性は女性のようにメイクなどは
しないので割と簡単です。
女性だとナチュラルメイクにするのか
派手目なメイクにするのか、髪型は
どうする等々、細かく決めるらしいです。
そんなわけでのお出掛け。
夫を送り出す時、着せるお洋服も
手渡します。
夫が最期に着るお洋服、
スーツにしました。
ネクタイはピンクのセリーヌで。
夫は若い頃から【スーツは戦闘服】と
言ってました。
私も夫のスーツ姿が大好きでした。
最後の最期まで仕事絡みにするん?
って一瞬思いましたが
きっちりした性格の夫のことなので
皆さんを迎えるのにカジュアルな私服では…
と言いそうだし、仕事にやりがいを持って
いましたし。
やっぱりスーツにしよう!と決めました。
夫もきっと『あなたがそう決めたならそれで
いいよ』って言ってくれてたと思います。
夫のスーツにアイロンをかけました。
夫のスーツにアイロンかけるのもこれが
最後になるのか。
このアイロン台も夫が私のために買って
くれたもの。
これでワイシャツやスラックスが
きれいにストレスなくアイロンできるよ。
アイロン苦手な僕もこれならできそう。
こう言ってくれました。
私のこと本当に考えてくれているんだなと
実感できた思い出のものです。
そんなこと思うと悲しみがこみ上げますが
最後の妻の仕事として思いを込めてスーツに
アイロンしてスタッフさんに手渡しました。
どんな姿で登場してくれるのかな。
葬儀会館で会えるのが楽しみでした。
私達が会館入りしたとほぼ同時に
夫も会場に入りました。
『奥様、お戻りになられましたよ』
と、夫の葬儀を取り仕切って下さる
担当者さんが声をかけて下さり
義兄、子供達と夫のそばに向かいました。
そこには
生前の姿の夫が棺に収まっていました。
おおおおーっっ!
みんな、思わず声が出ました。
こ、これは…見事やな。
『たくさん近づいて触ってもらって
いいですからね』
とスタッフさんに言われ、顔やら
頭やら触りまくる私。
気になっていた鼻の下のかぶれは
ほぼ分からないくらいになってました。
エンバーミングして良かった!
と秒で感じました。
顔色もいわゆる青白さはなく
血色が良いほんと普段と同じ顔色。
お化粧をしてくれているから
突然なのかもしれないけど
自然そのものでした。
病院で亡くなった直後はやっぱり
死人の顔色してましたから…正直なところ。
でも今は生前のとおり!
ほんま自然体でした。
祖父母が亡くなった時も死化粧は
していたけど、それを上回るナチュラルさ。
色んな考え方があると思いますが
私はエンバーミングをやって良かったと
思っています。
だって、普段と変わらない状態を最期に
見れるって…ほんと素晴らしいです。
よかったね。
何度も声をかけて通夜に臨みました。