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Channel: 最愛の夫は天国在住。 45歳で未亡人&ひとり親になった私と子供達のリアルライフ
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夫の最期から怒涛の葬儀までのこと13【最後のお別れ】

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こんにちは、ひろです。

開式2,30分前に書き上げた原稿を

無事に読み終え、最後の時となりました。


夫の棺が移動してきます。


皆様、これが故人との最後のお時間と

なります。

皆様の手でお花を手向けてあげて下さい。

どうぞお近くへお越し下さい。


通夜からずっとお世話して下さっている

担当の方がお声をかけて下さいました。


とうとうこの時が来てしまった。


私が怖かったこの時間が来てしまった。


怖いからと言って何もしないわけには

いきません。


夫の最後の姿をきちんと見なくては。


子供達と棺の前に進んだのですが

他の参列者の方々がもうすでに

棺の周りにいて、私入る隙間なし…


すごくありがたいことなんですけど


私、入られへんやん!

妻は私なんですけど!笑


って言いそうになるくらい置いてけぼり。


それを察した担当の方が棺の前に

誘導してくれました。


私は夫の頭上に立ち、皆さんを眺める形

になりました。


その時、社長が


彼の手掛けた商品を棺に収めてもいいですか?


と。


もちろんです。お願い致します!


と言い終わらないうちに役員の方や上司が

商品を携え次々に収めていって下さいました。


夫が担当した歴代の商品。


彼がずっと誇りを持って作ってきたものばかり。


私に何度も自信作だと話をしてくれたよね。


夫の腰から下は担当商品で埋まりました。


私も夫の棺にお花を手向けます。


お花以外に入れるものを事前に担当さんに

預けていたので、それらもすかさず用意

して下さり一緒に入れました。


夫の格闘技のトレーニングウェア。

ゴルフのグローブ。

お気に入りの私服。

大好きだった【たねや】のもなかと水羊羹。

赤福餅。

親友が差し入れてくれたパン。

私が夫のために作ったリボンリース。

私と子供達からの手紙。

かわいがってくれた夫のおばあちゃんの数珠。

同級生から預かった写真。

パパ起きてボードは棺に入れず

手元に残すことにしました。


本当は私も一緒について行きたい。


そう思っては打ち消し、の繰り返し。


夫の棺がお花で満杯になりかけた時

突然、背後から妹が


お姉ちゃん、マスク取ろ!

もう最後なんだから。

お姉ちゃんの顔をしっかり見せてあげようよ。

こんなマスクなんてしてたら顔を見てもらえ

ないじゃん!


と言いながら、私のマスクを剥ぎ取る。


誰も止めません。


そうか、そうだよね。


最後のお別れなのにマスクしたままなんて。


みんなが見てようがもうどうでもいい。


私達夫婦は顔を近づけてお別れしました。


何度も何度も愛情表現してきましたが

今までで一番思いを込めて


愛してる。ずっと愛してる。


と伝え、キスをしてお別れしました。


それを見計らったように担当さんから


そろそろ棺の蓋を閉めさせて頂きます。

と声がかかりました。


音が立たない様に静かに蓋が閉まり

ました。


閉まった途端。


蓋に突っ伏して大泣きする私。


それを後ろから泣きながら支える

妹2人。


担当さんが義兄に『付き添って

あげて下さい』と言っているのが

聞こえ、シャキッとしなきゃと思い

『大丈夫です』とお伝えしました。


私と子供達以外の参列者は玄関先で

待機するため会場を出ました。


会場に残った棺の中の夫と私と

息子と娘。


私が位牌、息子が骨壷、娘が写真を

持ちます。


蓋の閉まった棺を前に何も言葉が

出ない私達。


さぁいよいよ出棺のために表に出ると

なった時。


あまりお時間がないのでほんの少しの

時間にになってしまいますが…

蓋を開けますのでご家族でもう一度

お父さんの顔を見てあげて下さい。


と担当さんがおっしゃって下さり何と蓋を

開けてくれたのです。


いいんですか?


これにはさすがに全員喜びました。


再び現れてくれた夫。


本当に最後。静かな家族だけの時間です。


ありがとう、本当にありがとう。

私達のために最後まで頑張ってくれて。

あとのことは任せて。私ちゃんとするから。


お父さん、お疲れ様。ちゃんと休んでな。


パパ…またね。


それぞれが語りかけます。


では、そろそろご出棺の時間ですので

蓋をお閉めしますね。


蓋が閉まり夫の顔が見えなくなる瞬間、


お父さん!またね!!!

ゆきさん!またね!!!

(私が夫をこう呼んでました)


示し合わせたわけじゃないのに

子供達と同じこと言ってました。


そして、私達は一緒に出発ロビーに向かい

出棺となりました。


夫は皆さんの手で霊柩車に乗せてもらい

火葬場に行かない参列者の皆様

(会社関係や友人)にご挨拶させて

頂き火葬場に向かいました。


この時点で涙は止まりません。


こんな悲しみは人生で初めて。


最愛の人を失うってこんなに辛いのか。


私も燃えてしまいたい。ついて行きたい。


でも…私までもいなくなったらこの子達は

どうなる?


そんなこと考えていたら火葬場に到着。


火葬場で私…耐えれるのかな?



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